不便なホールがあります
【不便なホールがあります】
営業マン時代、かなり疑問に思っていた事で遅ればせながら、行政書士になってから分かった事があります。
M大安寺店(大手全国チェーン店)。
駐車場に車を停めてホール入ろうとしても、駐車場とホールの間にフェンスが張ってあり、一度公道まで出なければホールに入れない。
フェンスさえなければ、車を停めてすぐにホールに入れるのに。なぜこんなに不便な構造にしたのか?
私が営業マン時代に気付いたホールは他に、P岸和田店(関東法人)とパーラーD(山科)です。
やはり敢えて不便にするには理由がありました。
風営適正化法には、風俗営業許可の要件として、基本的三条件が定められており、そのすべての要件をクリアしなければなりません。
@人的要件
A構造的要件
B場所的要件
@とAはまた別の機会に説明するとして、今回関係があるのはBです。
場所的要件には、さらに2つの規制があります。
ひとつは用途地域の規制です。
『用途地域(ようとちいき)とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としている。住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など12種類がある。』−ウィキぺディアより引用。
要するに、街造りが目茶苦茶にならないように、例えばこのあたりは住宅を建てる、このあたりは商店街にする、このあたりは工場地帯にするなどをあらかじめ大まかに決めておくものです。
大阪府において、パチンコ店を開業できる地域は、『商業地域』『近隣商業地域』『準工業地域』『工業地域』『工業専用地域』『無指定地域』です。
また、『第一種住居地域』『第二種住居地域』『準住居地域』は一部可能な場所があります。
ですので、基本的に住宅街の真ん中にパチンコ店ができる事はあり得ません。
ふたつめの規制が、以前に記載しました保護対象施設との距離規制です。
このふたつの規制が、駐車場のフェンスに関係しております。
M大安寺店について。
店舗の南西方向に奈良病院があり、病院の敷地から店舗駐車場まで100mはありません。しかし、店舗までなら100m以上の距離があります。
ですので、駐車場と店舗の間にフェンスを張って、別々の敷地にしています。あくまで、M大安寺店の敷地は駐車場なしの面積ということで営業許可を取っているはずです。
地図を見ると、『M契約駐車場』となっております。「駐車場はM店の所有ではありませんよ」ということでしょう。
P岸和田店とパーラーD(山科)について。
この2店舗は、同じパターンです。店舗が建っている土地は、それぞれ『近隣商業地域』と『商業地域』ですので、パチンコ店を建てられます。
しかし、駐車場の土地は『第二種住居地域』と『第一種住居地域』なのでパチンコ店の敷地には基本なりません。
ですので、駐車場は別法人が運営していると思います。パーラーDの場合は、タイムズが運営してます。Pは不明ですが、会員登録をしないと普通に駐車場代を取られます。
要するに、こちらの2店舗も駐車場なしの面積で営業許可を取っているはずです。というより、そうしないと許可は下りません。
いつも訪問しているホールを普段とは違った視点で見てみると、何かの気付きがあり営業の役に立つかもしれませんね。
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