NPO法人と株式会社との比較
【NPO法人と株式会社との比較】
前回はNPO法人と一般社団法人との比較をしましたが、今回はもっと大きな括りでの比較を行います。
法人の区分の仕方はいくつかありますが、「営利法人」と「非営利法人」という大きな分け方があります。
この大きな括りでは、NPO法人も一般社団法人も同じ「非営利法人」に属します。
営利法人の代表的なものは、株式会社・合同会社・合資会社です。非営利法人の代表的なものが、一般社団法人やNPO法人、学校法人、宗教法人です。
両者の違いは「儲け」(利益)を構成員に分配できるか否かです。
構成員とは、株式会社の場合は「株主」です。NPO法人なら「賛同者」です。
例えば、トヨタ自動車などの株式会社は「儲け」を出資者である株主に中間配当や期末配当という形で分配します。
出資者(株主)は資金を出す見返りに配当をもらうわけです。
あくまで会社のオーナーは株主です。
この基本的なシステムはトヨタ自動車も小規模家族経営の会社も同じです。
ただし、トヨタ自動車は多くの株主(何十万人)がいるのに対し、小規模家族経営の会社はおそらく数人だと想像します。
株主は株主名簿に記載されています。決算書の最後の方にも記載があります。
小規模な株式会社が少し分かりにくいのは、兼任が多いためです。
例えば、もし私がごく小規模な株式会社を作るなら、私一人で作れます。
ゆうだ株式会社
株主=柚田将邦
取締役=柚田将邦
代表取締役=柚田将邦
従業員=柚田将邦
株主がもらうのが「配当」です。役員(取締役など)がもらうのが「役員報酬」、従業員がもらうのが「給料」です。
特に、「配当」と「給料」が違うことはご注意下さい。
小規模家族経営の会社も「儲け」を株主(おそらくすべて身内)に分配してます(給料とは別です)。
それが可能なシステムが株式会社に代表される、「営利法人」です。
「非営利法人」はこの利益配当ができません。
但し、誤解が多いですが、「非営利法人」であるNPO法人でも一般社団法人でも金儲け(収益事業)はできます。
(NPO法人は大規模に収益事業はできませんが・・・)
しかし儲けを構成員(賛同者)に分配できないシステムです(もし従業員を雇った場合は給料を払うのはできます)。
収益事業で儲けがでたら、それはその団体の目的のために使わなければなりません。
例えば、ペットの保護を目的とする法人なら(給料・経費などを引いた)儲けをすべてその目的に使います。
このように「営利法人」と「非営利法人」の違いは、かなり大雑把に言うと金儲けを目的とするシステムか否かです。
ですので、税金も営利法人の方が重い傾向があります。
もし、ペットの保護などを収益事業(金儲け)として展開していこうと考えているなら「営利法人」という選択肢もあります。ボランティアとしての目的が大きいなら「非営利法人」が良いと思われます(イメージもありますからね)。
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