風適法運用についてのブログ記事

御上(おかみ)には逆らえませんね

【御上(おかみ)には逆らえませんね】
パチンコ業界はご存知のように、許可行政のもとに成り立っております。

 

 

主なルールは、法律である風営適正化法(略してます)、政令である風営適正化法施行令、更に内閣府令規則などがあります。

 

 

法律は、選挙で選ばれた国会議員で構成する国会しか作れませんので民主的な基盤がありますが、政令や府令や規則は行政機関(公務員)で作れますので、民主的な基盤がありません。非常に乱暴に言い換えると、「御上の運用次第」です。

 

 

また、警察庁が発出している風営適正化法等の解釈運用基準という摩訶不思議なものまであります。これだけでも、もとの風営適正化法などの曖昧さが想像されます。規定が曖昧なら運用次第で結果が異なる可能性は否定できません。

 

 

例えば、保護対象施設の距離制限が大阪府の条例に次のように定められております(運用は当然、公務員である公安委員会)。『保護対象施設の敷地の周囲おおむね100mの区域(はダメよ)』。

 

この『おおむね』がくせものです。一般的には『だいたい』や『おおよそ』という意味ではないでしょうか。では、99mはダメなの? 99m50cmは? 99m99cmは? との疑問が湧きます。答えとしては全部ダメです。100m超です。

 

 

その昔は署長裁量というのがあり、100m未満でもOKだった事もあったようです。しかし、権力や権限の有るところに不正が生まれるのは世の常ですので、この裁量は今はありません。そういう意味では運用次第ではなく、明確化しようという意図は感じられます。

 

 

私の師事している先生は100m+5cmで通した事があるらしいです。先日話を聞いた所轄担当者は100m+2cmの申請が通ったと言ってました。

 

但し、この2件ともかなり前の事案で、しかも国家資格である測量士が測量し、その証明書を添付したので許可が下りたものです(公安委員会も不許可にする理由がない)。

 

 

では、最近はと言いますと、先程100m超と書きましたがそれは最低条件で、本部の方から『100mと30cmくらいは欲しいね。』と示唆されることがあります。決まりはありません。やはり曖昧です。

 

きっちり測量して100m+1cmでも許可は下りると思います(最終的には裁判すればおそらく勝てます)。でも、その後の商売がやりにくくなるのは目に見えております。

 

 

このように、御上(行政)が多くのルールを作っている(運用している)業界では、その運用次第で良くも悪くもなります。

 

 

ですので、このような許可行政のもとで商売をされているパチンコ業界のみなさまは、(今まで通り)できるだけ波風立てずに行動するのが賢明だと思います。私も再認識した次第です。

 

 

注:保護対象施設の敷地が商業区域にある場合の大阪府における距離規制はおおむね50mです。

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